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木地の作り方2:鋸での駒形から駒木地完成まで  その1(原木から鋸での板木地作成まで)へ

 

6.駒形への木取り

板木地に駒形を罫書く(ケガく)

使用工具:テンプレート 、鉛筆 テンプレートの代わりに実際の駒木地でも可。
 ここではテンプレートでの説明とする。
 テンプレートとは、透明なプラ板に玉から歩までの駒形を切り抜いたもの。自作する。

1.板木地の木目や模様を駒のどの位置にするかをテンプレートで確認し適当な位置で鉛筆にてケガく。
  左2枚の写真は、模様を駒の上部にするか下部にするかテンプレートで確認している様子。
 2.玉から歩まで必要枚数ケガく

平行切りの板木地の場合は、小さな板木地にでも2枚の駒をケガける事がある。(左下写真参照)

 

罫書き作業での注意

切り出した板木地全て同時に行う方が作業効率はよいが以下の点に気を付けること。

後で玉将が足りないとか、ひどい目に会う事もあるので ”枚数決め”は慎重に!

1.良い木目や模様を全て大駒にしてしまわないこと。小駒に良い物が揃わず一組が揃わない事になる。

2.板木地にシミ、汚れ、ひび割れなどをケガく前によく確認しておくこと。
  確認できそうもない場合には大駒を多めにしておく。

 

7.駒形へ切断

使用工具:丸鋸、角度を決めるスライドジグ、巾と高さを決める突き当てジグ 等
 駒形が描かれた板木地を大まかな駒形に切り出す作業。
 1.駒形が複数描かれている板木地は先に各々の駒に切りわける。
 2.駒尻を決める。(駒尻部を切断する)
  スライドジグに板木地を乗せしっかり押さえながらゆっくりスライドすることで駒尻を切断する。
  この駒尻が今後の作業の基準面となるので、正確に切ること。

 

3.側面の切断

 サイドの角度を決めるスライドジグに駒尻をあてがい駒の片サイドを切断。
  片サイドの切断場所は罫書き線の外側でスライドジグに板木地をしっかり押さえ
  ゆっくりスライドさせ切断する。

 

4.反対側面の切断

 角度を決めるスライドジグに巾を決める突き当てジグをセットしもう一方のサイドを切断。

 スライドジグに片サイドを切断した木地と巾を決める突き当てジグ(玉、飛角、金銀、桂、香、歩の6枚)
 をセットし、
しっかり押さえながらゆっくりスライドすることで各駒の巾と角度が決まる。

 

5.先端部分(山形)の切断:駒の先端部は通常「天」といっている。

 「天」の切断は一方の天を切断するときから、スライドジグに高さを決める突き当てジグと駒木地
 をセットし
(玉、飛角、金銀、桂、香、歩の6枚)
 しっかり押さえながらゆっくり
スライドすることで高さと角度が決まる。

 

6.反対天部の切断

 片側の天を切断した木地を裏替えして手順5と同様ゆっくりスライドすることで左右角度と高さが決まる。

 

駒形切断完了

当初は罫書き線上を切っていたが、次行程の駒形整形で微妙な調整が必要な時の余裕をもたせるため、
現在は写真で見るように罫書き線の外側が切れるように「突き当てジグ」を調整し現在にいたる。

8.駒形整形
 駒形は「駒のサイズ」で述べたように駒の重要な要素の一つであるが、盤の升目におさまれば良い程度しか決まりはない。かっての名工たちも駒形には苦心や工夫を凝らし独自のものを作り上げていたようだ。

使用工具:作業台から各種ジグまで自作する必要がある。
 ベルトサンダー(作業台追加)、厚さ設定用突き当てジグ、押し当てジグ、側面寸法&角度設定ジグ、
 、側面巾設定ジグ、「天」部角度設定ジグ、高さ設定設定ジグ
 注意)この作業では黄楊の粉塵が多く発生するので健康管理の面から粉塵対策を行うこと。

 

作業内容的には前述「7.駒形への切断」とほぼ同じ内容を丸鋸からベルトサンダーへと道具をかえたようなものである。但しクサビ角度整形についてはこの章の作業で決められる。
尚、一度に細かなベルトでの作業は効率が悪いので、粒度の違うベルトで順次精度を上げ完成させる。

1.丸鋸で切り出した木地(駒形)の表面(どちらか一方)を平らに削る。(写真左上)
 面を平らにすることで次行程の駒尻切削がスムースに行える。

 

2.手順1で平らにした面を下にして駒尻の切削と駒尻と表面との角度を決める。(写真左上)
 ベルトサンダーの作業台をベルトに対して約85度にして駒尻を削る。
 この作業で駒尻が確定するので重要な作業となる。
 計算上と実際の出来上がり角度は異なるため作業台角度の約85度は試行錯誤で決定される。

3.駒の厚さと反対側の表面及び駒尻との角度を決める。
 ベルトサンダーの作業台をベルトに対して約85度にして
 3−1 駒尻厚を決める突き当てジグをセットする。

 

3−2 駒木地をベルトに押し当てるジグを用い突き当てジグのストッパーに当たるまで駒木地を押し当てる。

 結果表面と駒の厚さ及び駒尻との角度が決まる。

 ポイント) この押し当てジグによる作業は必要以上長く押し当てていると天部分の厚さが薄くなり
   クサビの角度が狂ってしまうので注意すること。

 

  駒木地のクサビ角度(駒尻と両面の角度)と表面がができあがる。

 

4.側面の整形
 両側面と駒尻との角度を決める。

 ベルトサンダーの作業台をベルトに対して約90度にして側面寸法&角度設定ジグセットする。

4−1 片方の側面の切削
 駒尻を角度設定ジグに押し当てながら片方の側面を削る。

 計算上と実際の出来上がり角度は異なるため作業台角度の約90度は試行錯誤で決定される。

4−2 他方の側面の切削(駒尻巾と角度が決まる)
 駒木地を裏返し、側面巾設定ジグを介して駒木地の側面を削る。

5.天の整形
 天の角度と駒の高さを決める。
 5−1 ベルトサンダーの作業台をベルトに対して約95度にして、「天」部角度設定ジグと
 高さ設定設定ジグをセットし駒側面を角度設定ジグに押し当てながら一方の天を切削する。
 5−2 他方は
駒木地を裏返し5−1と同じ作業を行う。

以上で駒木地は完成するがさらに精度を上げるために粒度細かいベルトで同じ作業を行う。

 

 


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